
14日間のセラピーの内容
大学のクリニックには夕方到着。クライアントはピザとコーラで迎えられ、その後、ビデオ撮影があり、数ページにわたる問診表に記入し、最後に担当の学生クリニシャン、セラピストと外でおしゃべりをした。それらは録音した。
» 1日目
午前 グループセッション
・ディレクター、カーベル教授の講義
「吃音とは」、「スピーチメカニズム、生物学的なスピーチの構造(呼吸と発声の関係)」
午後 個別セッション
・スピーチメカニズムの復習
・吃音の症状、随伴運動の学習
・自分の吃音、随伴運動を分析し、症状をリストアップする。
・トレーニング 実際に話しながらそれらの症状、行動の回数を記録する。
宿題:①日記 ②会話を録音 ③音読
» 2日目
午前 グループセッション
・ディレクターの講義 「自己開示」
午後 個別セッション
・自己開示の方法
・アイコンタクト 相手の目を見て話すことの意味すること
宿題:発表することを考える。
A)「昨日、今日までで一番うまく、よくできていること。困難だと思ったこと。今後成し遂げたいこと」
B)「自分の吃音を知っている人と話す時と、知らない人と話す時とでは何か違う? なぜ? どんな風に?」
» 3日目
午前 グループセッション
・ビデオ鑑賞「If You Stutter: Advice for Adults ~もしあなたがどもりだったら:成人吃音者へのアドバイス」 ノースウェスタン大学制作
・講義 「楽に吃る」
午後 個別セッション
・随意吃(意識的、意図的に吃る)、擬似連発(語頭を軽く繰り返す)の練習(音読、会話、単語)
・引き伸ばし(技法)の練習
・明日のスピーチ(1)の準備、下書き
宿題:①日記 ②明日のスピーチの準備、下書き ③発表 「どもりが与える精神的影響」
» 4日目
午前 グループセッション
・スピーチ(1) 「このクリニックに来て以来自分のスピーチで気がついたこと」
個別セッション
・随意吃音、擬似連発の練習(会話)
・引き伸ばし(音読)
午後 個別セッション
・随意吃音、擬似連発の練習(会話)
・吃音のアンケート調査。食堂にいる学生や校舎を歩いている学生に随意吃音、擬似連発をしながら吃音に関する質問をする。
宿題:①明日のスピーチ(2)の準備 ②日記
» 5日目
午前 グループセッション
・スピーチ(2)「私の困難な場面、状況。どんなときに吃るのか」
個別セッション
・初日の自分のビデオテープの分析
・随意吃、擬似連発の練習(会話)
・呼吸を整えながらの会話の練習
午後 個別セッション
・呼吸を整えながらの会話の練習
・随意吃、擬似連発で実際に電話をかける
宿題:①記事の音読、友人との電話の会話を録音 ②知らない人3人に随意吃、擬似連発をして話しかける。③月曜日のテスト勉強(スピーチの構造)
» 6日目
午前 個別セッション
・テスト
・宿題の見直し
・ディスカッション 「どもり、またそれにまつわる感情、態度に責任を持ち、意識的努力をして改善する」
・スピーチ(3)の準備
午後 個別セッション
・スピーチの準備の続き
・随意吃、擬似連発の練習(文章、単語)
・会話
グループセッション
・スピーチ(3)「フリートピック:私の好きな引用、サルトルから学ぶこと」
・吃った言葉をキャンセルする技法
宿題:①楽に吃る技法、擬似連発をしながら友人と夕食をとる。②知らない人に楽に吃る技法をつかって話しかける、質問する。③音読(録音)
④明日のスピーチの準備
A)今後2週間のゴールについて
B)このプログラムに期待すること
C)このクリニックが短期、長期的に、どのように役に立つか
» 7日目
午前 グループセッション
・ディレクターの講義 「成功への鍵」
個別セッション
・楽に吃る技法、随意吃、擬似連発を使って音読、会話
午後 個別セッション
・電話練習 ・スピーチ(4)の発表の練習
グループセッション
・スピーチ(4)「私の目標」
・引き伸ばし技法
宿題:日記
» 8日目
午前 グループセッション
・ディレクターの講義「楽にどもる技法の復習」
「円滑、非円滑なコミュニケーション」
「不安、自己防衛、逃避」
「セルフトーク~心の声」
午後 個別セッション
・技法を使っての音読、電話
・楽に吃る、引き延ばし技法の実践練習
宿題:①技法の説明、復習を誰かとする。
②誰かと音読をしあう。
③話すのが難しい困難な場面や状況と楽な状況を各10個こずつ書き出す。
④発表
A)「これらの新しい技法について思うこと、そしてどのように今後役に立つか」
B)「自分のどもりをどう思うか」
» 9日目
午前 グループセッション
・技法の復習と音読 ・宿題の見直し ・ディスカッション 「感情と態度」
・目標の作成
午後 個別セッション
・音読とスピーチ(5)の準備
グループセッション
・スピーチ(5)「フリートピック:相手の気持ちをネガティヴに推測する私の癖」
宿題:①どちらか一つを選ぶ
A)吃音して育った子ども、吃る人の物語
B)誰かに自分の生い立ちを話す
②どれか一つを選ぶ
A)自分の吃音とその影響を表すシンボル、絵
B)流暢(の繁栄)を表すシンボル、絵
C)吃る人としても気持ちを表すシンボル、絵
D)吃る人としての自分と世界との関係、スタンスを表すシンボル、絵
» 10日目
午前 個別セッション
・音読、会話
グループランチ
午後 個別セッション
・会話 担当のセラピストと会話。好きな映画の物語の説明。
宿題:①会話を録音し、分析
②吃音の教科書の“感情”に関する章を読んで自分の気持ちとどれだけ合意するか、または何をどう違うと思うか、そしてこれから努力するべきこと、を書き出す。
» 11日目
午前 グループセッション
・ディレクターの講義 「なぜこれらの技法を使うのか」
個別セッション
・宿題の見直し
・ディスカッション
①過去の出来事を振り返り、どう対応したか、また他にどう対応できたか
②残り3日のこのプログラムで何をしたいか
③プログラム終了後、どのように自分の吃音と感情の問題に取り組んでいくか
午後 個別セッション
・苦手な言葉/発音の練習
・吃音のアンケート調査
宿題:①ファイナルスピーチ(6)の準備
②技法を使っての音読
» 12日目
午前 グループセッション
・ディレクターの講義
「アサーティヴネス~主張性」
「セルフトーク ~自分自身に言う言葉」
午後 個別セッション
・会話、音読 ・吃音のアンケート調査 ・ファイナルスピーチのまとめ
宿題:①ファイナルスピーチの準備
②具体的な目標とその行動内容
» 13日目
午前 個別セッション
・ディスカッション ①2週間半の間で起きた変化 ②プログラム開始前と後(現在)変化の比較
グループランチ
午後 個別セッション
・初日同様ビデオ撮影、録音、音読
・今後の目標、予定のまとめ
・初日同様の問診表記入
» 14日目
午前 グループセッション
・ファイナルスピーチ(6)
「My Story~私のこと」
午後 個別セッション
・会話 ファイナルレセプション