2006年度(第12回)吃音ショートコース案内

テーマ:こころの自然治癒力

日程:2006年11月3(金・祝)・4(土)5(日) の3日間
会場:滋賀県 ソフィウッド
費用:一般参加者 33,000円
   (研修費、2泊3日の宿泊・食事を含む全ての費用)

〜この企画は終了しました。以下は、ご参考にお読み下さい。〜

重松 清『きよしこ』(新潮社)の前書き・後書きより

 
 僕は確かに、うまくしゃべれない少年だった。いまでも言葉をしょっちゅう詰まらせながら、おとなの日々を過ごしている。
 参考になる話はそれなりにできるかもしれない。教訓めいた話だって、一つや二つはあるだろう。
 でも、ぼくはぼくで、君は君だ。君を励ましたり支えたりするものは、君自身の中にしかない。

 うつむいて、ぼそぼそとした声で話せばいい。ひとの顔をまっすぐに見て話すなんて死ぬほど難しいことだと、ぼくは知っているから。ゆっくりと話してくれればいい。
 君の話す最初の言葉がどんなにつっかえても、ぼくはそれを、ぼくの心の扉を叩くノックの音だと思って、君のお話が始まるのをじっと待つことにするから。
 君が話したい相手の心の扉は、ときどき閉まっているかもしれない。でも、鍵はかかっていない。鍵を掛けられた心なんて、どこにもない。
 ゆっくり読んでくれればいい。難しいことは書いていない。ぼくは数編の小さなお話のなかで、たったひとつのことしか書かなかった。
 「それがほんとうに伝えたいことだったら…伝わるよ、きっと」
 

《特別講師》
重松 清(しげまつ きよし)作家
 1963(昭和38)年、岡山県生れ。出版社勤務を経て執筆活動に入る。1991(平成3)年、『ビフォア・ラン』でデビュー。1999年、『ナイフ』で坪田譲治文学賞を、『エイジ』で山本周五郎賞を受賞。2001年、『ビタミンF』で直木賞を受賞する。現代の家族を描くことを大きなテーマとし、話題作を次々と発表している(アマゾン<http://www.amazon.co.jp/>の新潮文庫版『きよしこ』(2005/06)著者略歴より)



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