《大阪吃音教室 例会記録》

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・吃音教室2004.10.29・記録
テーマ:ある吃音者の体験に学ぶ
担当者:溝口 稚佳子
参加者数:28人(内、初参加者4人)
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18:45〜 (司会者)初参加者紹介・参加者近況

19:20〜 (溝口)参加者同士の情報交換
・(白紙を配る)今日は、参加者全員のこれまで生きて来た人生を
 互いに学び合いたいと思う。
 今日は「こんなことで困っている」「以前こんなことで困った」
 などを紙に書き、どうすればよいか話し合う時間にしたい。

19:35〜 (溝口)質問と解決例紹介・前半
△アルバイト経験で、一番困ったことは?
○飲食店のバイトで、注文を奥に通すのに困った。
○家庭教師をして、数学の数字が言えなくて困った。
○塾の仕事で、退出の挨拶が出来ずいつも最後まで仕事をした。
○巫女の仕事、「お」で始まることばをたくさん話す必要があった。
 (等など、色々困った経験が話題に出た。)
・アルバイトなら、無理してまで続ける必要はない。ひどく困った
 ら転職を考えよう。

△自己紹介の席でどうするか?
○早口にならず、大きな声を出すことを心掛けている。
○どんなに堅苦しい場でも、吃音を明かしてから自己紹介する。
○吃ることには抵抗がないのに、詰ってことばが出ず、どうしよう
 もないこともある。そんな時は何とか絞り出すしかない。
○吃りながら自己紹介したい、吃音者も仕事が出来る見本を見せた
 いと思うのに、その場面が来ると困ってしまう。
○吃音だと公表してから話し始めたのに、自己紹介で全く吃らず、
 「吃らなかった、どうしよう」と思ったことがある。
○そんな場合には、「今は吃らなくても、吃るときがあるのが吃り
 です」と言えば良い。

20:05〜 休憩

20:15〜 (溝口)質問と解決例紹介・後半
△大阪吃音教室では、吃音矯正はするのですか?
(東野)日本でも世界でも吃音の治療法は開発されていない。吃音
 教室では、昭和49年頃まで発声法、呼吸法などをやっていたが、
 今は行っていない。吃音矯正は効果があっても一時的で、症状へ
 のこだわりを却って強めてしまう。
 治療法はなくても、吃音とうまく付き合うことは出来る。吃って
 も人の中に出掛けて行くことが、実際的な言語訓練になる。ここ
 では吃音を治すのではなく、吃音に余りわずらわされずに生活す
 ることを目指している。
 ことばについては、「竹内レッスン」を取り入れている。これも
 吃音治療ではなく、対人関係で緊張してしまうからだをほぐし、
 自分の緊張に気づくこと、楽に声を出すことを目指している。

△自分でできるトレーニングとして、お奨めのものは?
○日頃から何でもメモに書く。言語化しておくと話しやすくなる。
○しゃべる仕事につき始めた数ヶ月間、毎朝1曲歌い、新聞を朗読
 してから通勤した。苦手だった朗読が、それで平気になった。

△電話の時にどうするか?
 (これについては幾つかの対策が紹介された。大阪吃音教室でも
 電話は大きなテーマであり、毎年電話問題の例会を行っている。)

(その他、この日話し合われたこと)
△世間では吃音に対する認識が低い。吃る我々に出来ることは?
△ことばが仲々出ないときの対策は?
△つい早口になってしまうことを改めるには?
△吃音よりも人とのつき合いで困っている。人とつき合う上で大事
 なことは?

20:50〜 初参加者感想
○今まで吃音を隠そうとして、変な緊張をずっとしてきた。今日は
 すごく気が楽になった。
○吃る人たちと話したのは初めて。また来ます。
○ここの参加者は皆普通の人で、それぞれ頑張っている。どもりで
 も悪くないと思った。

20:55〜 久し振りの参加者の感想
○2年半前に来た時に比べて人が増え、色々な話が聞けた。

21:00  終了
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