2005年度・第8回「ことば文学賞」受賞作発表


  最優秀賞 隠していた頃 堤野 瑛一
  優秀賞 家族会議 掛田 力哉
  優秀賞 もう、大丈夫だよ 内田 智恵
  審査員特別賞 吃音が「消える」とき 西田 逸夫

 2005年度の「ことば文学賞」には、11作品の応募がありました。(例年に比べて応募が少なく、締切りを延長しました。)とは言え、内容も文章も、優れた作品が揃いました。
 2004年度の選考をして下さってた元朝日新聞記者の五孝隆実さんのご都合がつかず、審査は日本吃音臨床研究会の伊藤伸二と溝口稚佳子が担当しました。
 2006.02.27の大阪吃音教室例会にて、「ことば文学賞」作品紹介と受賞作発表、賞品の授与を行いました。

 当日の例会には、初参加者2名を含めて25名が参加しました。「ことば文学賞」の全応募作を、伊藤と溝口が交代で朗読。一作ごとに参加者から感想、意見を聞き、両審査員の講評が読み上げられました。

朗読する溝口 当日の例会の様子 講評する伊藤

文学賞授与式

 最後に最優秀賞1作品、優秀賞2作品と、今年だけの審査員特別賞1作品が発表され、賞品と副賞の授与が行われました。(関東の内田さんには、後日郵送されました。)

 最優秀賞を受賞した堤野さんは、「書き上げてすぐ、今年は一番だと思った。他の応募者には悪いけれど、(賞を)もらっておきます」と、例会参加者を笑わせました。
 例会後には、「吃音が始まった頃、他のことは隠す気がなくなっていたのに吃音だけは隠そうとした。それが不思議」と、「隠していた頃」で描いた学校生活をしみじみ振返っていました。

 優秀賞の掛田さんが書いたのは、「吃音親子サマーキャンプ」のスタッフ仲間に結婚相手を見つけて…という、例会の常連には良く知られたエピソードです。この日の朗読を聞いて、「素敵な話と思っていたが、文章を読むとまた格別」という感想が寄せられました。



「ことば文学賞」応募原稿・募集要項

2005年度受賞作品   各年度最優秀賞作品