2016年度 第27回吃音親子サマーキャンプ

2016年度 第27回吃音親子サマーキャンプ・概要

・日時:2016年08月19日〜21日(金・土・日)
・会場:滋賀県彦根市荒神山自然の家
    (〒522-0047 滋賀県彦根市日夏町字宮前4794番地)


伊藤伸二ブログに掲載された記事から、「第27回吃音親子サマーキャンプ」報告の概要をまとめました。

第27回吃音親子サマーキャンプが、無事、終わりました。132名の参加でした。初参加の家族が12組あり、毎年ですが、新しい人と複数回参加している人とのバランスが絶妙で、いい文化、いい伝統が引き継がれていっているのを感じました。

子どもたちの話し合いの中では、何度も参加している子どもは、話したり聞いたりのいい見本になってくれていますし、親の話し合いの中でも、経験に基づく話が押しつけではなく語られています。劇の練習でも、子どもたちからどんどんアイデアが出て、みんなで作り上げていっています。恒例の親の表現も、パワーあふれる熱演が続きました。


どもる子どもには、いいどもる大人に出会ってほしい。ことばの教室の先生や、言語聴覚士にも、いいどもる大人に出会ってほしい。僕(伊藤伸二)は常にそう願っています。

どもる成人なら、誰でもいいと言うわけではありません。吃音の悲しい体験、つらい思いだけを語る人には会ってほしくありません。僕たちの仲間も、悲しい、つらい体験をしていないわけではありません。そのような経験をし、それを率直に語りながら、吃音に向き合い、吃音と共に豊かな道を歩き始めた人に出会ってほしいのです。

成人のどもる人が、メンター(いい先輩、師匠)として、子どもに生きたモデルとして存在してほしいからです。「手本」ではなく、あくまでひとつのいい「見本」としてです。


参加スタッフの感想から

・サマーキャンプで心に残っているのは、小6・中1の話し合い。自己紹介をしようということになったとき、I君が「自分のいいところを言おう」と声をかけた。すると、「普通、そういうことは言わんやろ」という声が上がったが、「でも、ここはな、言っていいところなんやで」となり、みんなひとりひとりが自分のいいところ、得意なことなどを話していった。こんなことが言える雰囲気がすてきだった。

・サマーキャンプを卒業し、今回初めてスタッフとして参加した。一番よかったのは、スタッフ会議に参加できたこと。今までは、年の近い人とばかりで、吃音の話をしてきたけれど、年のかなり違うスタッフと吃音の話ができてよかった。また、高校3年生の初参加の子から、僕が今大学で目指している、言語聴覚士のことを聞かれ、相談にのって、いろいろ話した。彼女は吃音に悩んでいながら、サマーキャンプ直前まで、親にも吃音の話をしてこなかったという。親にすら話せない子がいるとしたら、そういう人たちの力になりたいと思った。