2025年1月 第12回 東京吃音ワークショップ

第12回 吃音と向き合い、語り合う
伊藤伸二・吃音ワークショップ in 東京・概要

・日時:2025年1月13日(月・祝)
・会場:北とぴあ


伊藤伸二ブログに掲載された記事から、「第12回 東京吃音ワークショップ」報告の概要をまとめました。

今回12回目となる東京ワークショップでした。今年は19人の参加でした。鹿児島、大阪、静岡、長野、埼玉、千葉、東京と住んでいる所もバラバラですが、ひとりひとりの背景も様々です。

何年か前は、自己紹介だけで午前が終わってしまったことがあります。今回は、簡単に名前とどこから参加したかだけを言ってもらって、スタートしました。せっかく遠いところから参加してくださったのだから、今一番知りたいことを知り、疑問に思っていることを解消して帰ってもらいたいと思いました。


仕事でプレゼンをしなければならないが、そのときどもると、恥ずかしいという人がいました。恥ずかしいと思うのはよくないと思うから思わないようにしているけれど、恥ずかしい気持ちは消えないと言います。普段、あまりどもらないので、プレゼンのときにどもると、しっかり仕事をしているつもりだけれど、評価が下がるのではないかと思ってしまうと言います。僕は、まず、「恥ずかしい」と思ってもいいんじゃないかと言いました。「恥ずかしい」と思うのはよくないことだと思うと、「恥ずかしい」と思う自分を責めてしまいます。

具体的な対策としては、資料は資料としてしっかり作るけれど、ブレゼンは、そのとおりにしゃべらず、自由にしゃべったらどうかと提案しました。手元に資料があるのだから、別のことをしゃべってもいいのです。書いたとおりのことをしゃべらなければと考えると、どもる僕たちは苦労します。


午後も、話は続きます。自分の吃音に最近気づいたという人が、これから、吃音とどうつきあっていったらいいのか、どう考えたらいいのか、と悩みを出しました。

スキャットマン・ジョンの例を話しました。周りのみんなには見えている吃音という象を必死に隠そうとすることを止め、レコードジャケットに吃音のことを書いて、それからは自分らしく生きたジョンでした。自分の吃音を認めて、機嫌よく生きるのがいいのではと提案しました。どもって当たり前、それが自分なんだと思って生きていく、他のことに目を向けていきたいと、話してくれました。

その他、いろんな話題が出ました。ひとりひとりの人生に耳を傾け、みんなで考え、語り合う、いい時間でした。


最後に、僕から、サバイバルして生きていくための武器として、論理療法のABC理論を説明しました。考え方次第で、悩みは消える、というこの考え方を武器として持っておくことは、これからの人生できっと役に立ち、自分自身が生きやすくなると思います。

時間が迫ってきて、感想を聞きました。

・これまで行っていた吃音の研修会では、吃音指導の間接法、直接法の話ばかりだったが、ここでは、当事者の生の声が聞けたのがよかった。

・みなさんが躊躇なく前に出てきて、伊藤さんと対話しているのがすごいなと思った。

・対話が大事だと改めて思った。ABC理論を子どもたちと勉強したい。

・本の中でしか知らなかった伊藤さんに会えてよかった。

・世の中のマニュアルに抗って、生きていきたいと思う。

・自分は自分でいいんだと、再認識した。

・気持ちが軽くなった。

・吃音ではないけれど、ここは居心地がいい。人の気持ちを聞くのが好きで、ほっとする。

・どもってもしゃべり続けるのが一番だと思った。

・こうして参加して、動いてみて、元気になった。

・どしっと、その場その場で対処するのがいいんだと分かった。

・ABC理論が心に残った。Bを変えるんだということが分かった。

・オンラインでなく、やっぱり直接会えて話し合えたことがよかった。


「また、来年も来ます」と言ってくれた人がいました。ありがたいことです。元気で、来年もまた、会いたいです。

日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2025/01/24