《大阪吃音教室 例会記録》

------------------------------------------------------------
・吃音教室2004.10.01・記録
テーマ:吃音恐怖と予期不安の克服
担当者:伊藤 伸二
参加者数:33人(内、初参加者1組2人)
------------------------------------------------------------
18:45〜 (司会者)初参加者紹介・参加者の近況報告など

19:10〜 (伊藤)予期不安と恐怖
・予期不安の問題は、吃音問題の核となっている。

19:15〜 (全員)吃音の予期不安を文章化する
・自分の抱えている(以前抱えていた)吃音についての不安を、次
 の項目に分けて紙に書き出してみる。
△不安に思う(思った)状況
△その時に自分が自動的に持つ考え方
△その考え方は、どの位正しいと自分で思っているか(%で表現)
△それが正しくない考え方なら、どう変えるか

19:40〜 (伊藤)不安について考える
・不安はあってはならないものか。(挙手での回答。不安がない方
 が良いと思う者、数人。ある方がよいと思う者、大多数。)
○不安はそこにあるもの。認めるしかない。
○不安は一つ消してもまたすぐに出て来る。キリがない。
○不安があるからこそ、気をつけて行動する。
○不安は良くしようという向上心の裏返し。
○不安は自分が生きるためにある。

・不安は、必要なもので、サバイバルのために大事なものである。
・しかし、吃音の不安は、あって良いものとは思わない。
・不安に流されるのではなく、不安と上手に付き合う必要がある。

・よくある不安への対処、回避する(逃げる)ことについて。
 逃げても不安は消えない。一層不安が増大することもある。
 逃げぐせがついてしまう。
・不安から逃げて行動を回避することは、損が多い。
 不安(のように湧上がってくる)感情はコントロールが難しいが、
 感情を持ってしまう背景にある考え方を吟味することで、逃げず
 に行動することの後押しが出来る。

19:55〜 途中休憩

20:05〜 (伊藤)不安への対応
・不安を感じたときにどうするか
○思い切ってやってしまう。
○深呼吸する。
○舌を出す。
○気をそらす。
○その時の自分の考え方を、紙に列挙する。

・不安を感じたとき、リラックスすることが重要。深呼吸はとても
 良い。(息を吐いて吐いて、吐ききった後に自然に緩める。)
・局所的な対応も良い。手首をゆするという方法もある。
 笑ってみるのも良い。笑うと自然に顔が緩む。
・気分転換は、一時的には非常に有効。自分の周囲にあるものを口
 に出して言ってみるなどして、注意を自分の外に向ける。
・紙に書くことは私もお奨め。漠然と思っているのと、書いて表に
 出すのとでは非常に違う。

20:25〜 (伊藤)事例ごとに考える
<事例1>就職面接前に、とても不安が大きくなる
・本人はどんな考え方を持っているのだろうか。
○吃りが知られてしまったら、面接に落ちるに違いない。
○静かな場所で吃りたくない。
○吃ったら笑われるかも知れない。
○集団面接だと、順に名前を言わなければならない。
○「名前すら言えない人間に仕事が出来るか」と思われてしまう。
○人前で吃ると、ひどくみじめで格好わるい。
○「吃る人間は会社の役に立たない」と思われてしまう。
○自分だけが特別な目で見られてしまうのではないか。

・皆が出した考え方が正しいかどうか、本人がその考え方を持つの
 が得か損かを考える。
・「吃音は就職面接に有利」という意見を紹介。実際に吃音を生か
 して面接に合格した豊富な事例を紹介。

20:45〜 <事例2>(省略)

20:50〜 初参加者感想
○同じ吃音の仲間がいると分かりました。

20:55  終了
------------------------------------------------------------

例会記録トップへ  前回記録(09.17)へ  次回記録(10.15)へ