《大阪吃音教室 例会記録》

 2003年度前半(2004.04〜09)記録

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・吃音教室2003.06.20・記録
テーマ:アサーション実践編
担当者:伊藤 伸二
参加者数:22人(初参加者なし)
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18:50〜 (司会者)参加者近況など
・(東野晃之)吃音教室参加者への提案。
  先週初参加された二人連れが、吃音教室の開始時間前に、扉の
 外で待っておられた。室内にいた私は、参加者のお一人からその
 ことを聞き、お二人に入室を促すことが出来た。
  こんな場合、吃音教室の世話人でなくても自分から声を掛けて
 参加を誘って欲しい。
  また、初参加者が教室に入ってからも、積極的に声を掛けて上
 げて欲しい。

19:05〜 (伊藤)アサーション実践編
・先週の吃音教室(アサーション入門編)の内容を、参加者一人ひ
 とりに尋ねる。
・東野の出した話題について。
 「みんなはどうして初参加者に声を掛けないんだろう?」
○遠慮する。自分は新人だから。ここのことを余り良く知らない
 から。自分がそんなことして良いのか。[2人]
○その時の気分次第という面もある。[1人]
○話し方、声の掛け方が分からない。[4人]
○声を掛けた後、話が続かず間が持たなくなったらと不安。[1人]
○声を掛けようとして自分がどもってしまうことへの恐れ。[1人]
○相手による。相手が良く分からない。[3人]
○吃音以外の障害者なら普通に接することが出来ても、吃音者に
 は自分を見るような気がして、声掛けをためらう。[1人]
○自分が人の世話を焼き過ぎる傾向に気付き、その反動でそうし
 た親切をわざと控えた時期がある。[1人]

・自分が初参加者だったら、声を掛けて貰いたいかどうか。
○声を掛けて欲しい。[7人]
○放っておいて欲しい。[3人]
○状況や相手による。[2人]

・「放っておいて欲しい」と答えた3人の理由は?
○初参加の場所で目立ちたくない。[2人]
○責任者でない人からの情報は聞きたくない。[1人]

・伊藤自身が初参加者として加わった、ワークショップ、エンカウ
 ンターグループでの経験を紹介。
  ある合宿では、以前からの仲間だけで話すのみで、自分は誰か
 らも声を掛けられず、疎外感を感じた。

・「初参加者には声の掛け方が分からない」という人には、文案を
 作って置いた方が良いかも知れない。必ずそうせよというもので
 なく、最低限の基本的なものとして。

・アサーションの基本は、自己中心ではなく、相手を尊重しながら
 自分を主張すること。アサーションは、他人に関心を持つことか
 ら始まる。吃音教室は吃音者が生きるスキルを身につける練習の
 場であるから、声掛けもそのことの一つと思って欲しい。

・伊藤が東京言友会を結成したときの経験。 
  参加者の中で最年少なのに、幹事長(No.2)を勤めた。それを
 続けることで、人への関心が生まれ、生きる練習にもなった。
  挨拶の仕方、人に話し掛ける言葉すら知らないところから、失
 敗を繰り返す中で経験を積んで行った。
  28才で大学に初就職する時、この経験が役立った。

19:50〜 休憩

20:05〜 (伊藤伸二)アサーション実践編の続き
・(東野)初参加者への声掛けについて。
  今日の冒頭、皆さんに「初参加者に声掛けを」と言ったけれど
 も、実は自分も声掛けは苦手。だからこそ「自分は必ず初参加者
 に声掛けする」と決めている。
  「今日はどこから来られました?」「この教室はどこで知りま
 した?」など、決まった質問を幾つか用意している。苦手意識が
 ある人は、そういうものがないと話し掛けにくい。
・(東野)電話の掛け方について。
  高2の頃まで、電話の掛け方が分からなかった。これは「もの
 まね」で身に付けた。昔、大阪言友会の事務局で、先輩達が事務
 連絡や行事の案内を電話で伝えるのを横で聞いていて、電話での
 言葉や用件の切り出し方を学んだし、どもりながらでも電話で用
 件を伝えられることが分かった。

・(伊藤)アサーションは、非主張的なまま、攻撃的なままで問題
 を感じていない人には必要ない。このままの自分ではいたくない、
 しかしどうして良いのか分からないという人に、ためになるトレ
 ーニングである。
・(参加者A)吃音教室に良く参加していた高校生の頃、ここで初
 めて自己主張することを学んだ。すると母親から、「吃音教室に
 通い始めてから、とてもやりにくくなった」と言われた。
・(参加者B)アサーティブになれない理由の一つとして、「自分
 の気持が把握できない」ということがある。以前のAさんは、そ
 んな状態だったのではないか。
・(参加者C)社会(特に会社など)に馴れると、自分の立場や利
 害関係を考えてありのままにものを言わないようになることもあ
 る。立場を考慮して、自分で「この場では自己主張しない」と選
 択するのも、アサーションの一つ。
・(伊藤)世の中には、他人を支配したがる人もいる。自分がどん
 なにアサーティブに対応しても、そんな相手は受け容れてくれな
 い。そんな人には「長いものには巻かれろ」で行くしかない。
・(伊藤)非主張的と攻撃的とアサーティブな主張、この3種の主
 張を明確に区別できるようになると、人は主張的になって来たと
 言える。

・(参加者D)先日、駅で女子高生がタバコを吸っていて、大勢の
 人が見て見ぬ振りをしてそばを通り過ぎていた。するとその女子
 高生が、「見ているくらいなら注意しろ!」と怒鳴った。自分は
 何も言わなかったけれど、こんな場合どう言うのが良いか。
・(伊藤)もし自分が何か言うとして、それを攻撃的に言ってしま
 いそうだったら、何も言わない方が良い。

・(参加者E)先日、小児科の先生に娘の診断書を依頼した。その
 後、「今日渡すから来て下さい」という電話があったので出掛け
 て行ったら、診断書は未だ出来ていなかった。
  それも、自分が座っている目の前で、主治医と看護婦だけが話
 し合って、診断書に書く検査の結果までは出ているのに、結果が
 書類にまとまっていないため、主治医が診断書を書けないという
 事情を知らされた。
  主治医はこちらに一言の説明も謝罪もしなかった。自分は怒り
 を覚えたものの、今後も娘を診て貰うことを思うと何も言えず、
 次回の受診日の予約だけして引き揚げた。主治医に対してちゃん
 と発言したかった。
・(伊藤)この場合、どんな対応がアサーティブか、文案を考えて
 見よう。
・(参加者E)「折角来たのに残念です。謝罪して欲しいです。」
・(参加者C)それは相手をひどく攻撃している。

・(伊藤)客観的に、具体的に、状況を言語化する。
・(参加者F)例えば、「私は今日診断書を渡すと電話で言われて
 来たのに、受け取れないことが分かりました。」
・(参加者E)私が主治医の目の前に座っているということは、診
 断書を受取りに来たのだと相手は分かっているはずだと思った。
 自分からそれを話そうなんて、思いもよらなかった。
・(伊藤)Eさんの相手の医者は、日本的な「察しろ」文化の典型。
 一方でEさんも、相手に「察しろ」と要求している。
・(参加者B)「速達で送って下さい」と言うのはどうか。

・(伊藤)自分の感情を吟味する。相手のミスを責めることはしな
 い。責めるのは、相手が間違いを犯す権利を(従って間違いに気
 付いて自ら正す権利を)侵害している。
  相手に幾つかの提案をする。「説明して下さい」「ここで待っ
 ても良いですか」「郵送して頂けませんか」など。自分の要望を
 相手に伝える。自分の発言に対して、相手の出方を予想する。

20:55  終了
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