ISAD


ISAD(国際吃音アウェアネスの日)
2004反響

報告:川崎 益彦(ISA国際吃音者連盟理事)

 2004年のISADインターネット・オンライン会議は、10月1日から22日まで行われました。(ISADについての説明は、こちらをご覧下さい。)
 2004年は『国際吃音児童年』にも当り、世界中から多くの子ども達の書いた文章が集められました。日本からは、OSPの長尾政毅さん(当時大学1年生)の文章”My Personal Transformation”(原文「変わっていくこと」)が発表され、たくさんの反響が寄せられました。
 このページでは、長尾さんの文章に対する世界からの反響の一部をご紹介します。(長尾さんの返事も含めた全文は、こちらのページ(英語)をご覧下さい。)



世界から寄せられた声

10月 2日 Dori
 おめでとう、マサキ。あなたはとても洞察力があり実際の年齢よりずっと大人です。あなたが吃音に挑戦して勉強してきた誠実さと能力は、賞賛に値します。私には吃る息子がいますが、私はあなたの文章を彼が大きくなるまで大切に保管して、彼に読ませようと思っています。本当にありがとう。

10月 3日 Jodi Frestedt
 あなたは吃音を通してとても成長し、しかもあなたを支えてくれる素晴らしい人たちのグループがあるのですね。これからもがんばって!

10月 4日 Renae Christenson
 あなたの物語を皆にわかちあってくれてありがとう。あなたの吃音への向き合い方、感動的な挑戦は、とても勇敢で刺激されます。あなたは他の吃音者にとって、素晴らしいお手本を示されました。これからもお幸せに!

10月 8日 Mike Hughes
 スピークイージーは、カナダ国内の吃音者のための慈善団体です。1984年以降、私たちは成人吃音者、吃音児を持つ親、臨床家、一般の人々に情報やサポートを提供しています。私たちの発行する「スピーキング・アウト」は吃音に関する記事や情報など幅広く載せている月刊誌です。あなたのISADオンライン会議はとても面白く、もっと多くの人々に読んでもらう価値があります。そこで、将来発行する「スピーキング・アウト」に掲載する許可をお願いします。オンライン会議事務局のジュディ・カスターも何の問題もないと言っています。許可をいただけますでしょうか。

10月13日 Esther Schachter
 この文章を書いてくれてありがとう。私のような言語聴覚士を目指す学生にとって、吃音者が持ちかねない感情や考え方、不安をじかに理解するうえで、この文章はとても重要です。私たちがクライアントの心情を理解すればするほど、彼らの役に立つことができるでしょう。どうもありがとう。

10月13日 Stefan Hoffmann
 やあ、マサキ。君の文章を読ませてもらって、とてもよかったよ。確か、今年2月パースで会ったね。2000年のサマーキャンプにゲストとして行ったときは本当に楽しかったし、そこでも君に会ってるよね。そのサマーキャンプは本当に素晴らしく、多くの家族が参加しているのを見てとても勇気づけられました。先週末にあったドイツ吃音者会議では、吃音児の話し合いはたった8人でした。これからも、発表し続けてください。(ステファン・ホフマン、ISAの元理事で、JSP吃音親子サマーキャンプには2000年に参加している。)

10月13日 Alison Bliznik
 私が疑問に思うのは、あなた方のキャンプでは、仲間がどのような特別な方法を使って、あなたに自信を持たせる一方で、あなたの吃音に取り組むのかということです。あなたの書いた文章を読んで思うのは、キャンプに関わっている人たちが、あなたの吃音と自分自身についての理解に、とても前向きな影響を与えているようです。あなたが何度も障壁を受け止め乗り越えようとして、あなたの本当の気持ちを押し込めていた時でも、彼らはあなたを支えていてくれたのだと思います。私は今、グループセラピーのセッションに参加し、多数の吃音児と一緒に活動しています。彼らはあなた方のサマーキャンプと同じように、グループの仲間を支えているようです。そしてこのことは、多くの子供達にとってとても大きな支えになっているようです。できれば、キャンプでどのようにして子ども達があなたを支えたか、あなたがキャンプで体験したいくつかの具体例を教えてもらえますか?

10月13日 Aya Maiorino
 こんにちは、ナガオさん。私はあなたの文章を読んで、本当に感動しました。私は日本人ですがJSP(日本吃音臨床研究会)について何も知りませんでした。現在私はアメリカでCSDを勉強しています。日本では援助を求められる場所を見つけるのがとても難しいので、あなたはJSPを知り、彼らと一緒に行動できて本当に幸せだと思います。例えばアメリカでは、公立学校には何人かの言語臨床家がいますが、日本にはいません。だから私はあなたがそれをどこで知ったのか不思議なのです。両親から、それとも先生からですか? それから、初めてサマーキャンプに参加したときどう感じたか、教えてもらえますか? あなたの文章を読んで、JSPのおかげであなたの態度や考え方が劇的に変わったことが分かります。あなたが今もサマーキャンプに参加し続け、多くのほかの吃音児たちを勇気づけていることを知って、とても嬉しく思います。

10月18日 Norimune Kawai
 やあ、マサキ君。今でも僕を覚えてくれていたらいいのですが。僕は、初めて君とサマーキャンプで出会った日のことを、今でもよく覚えています。もう9年前になるなんて、信じられません。光陰矢のごとし! 君はとてもがんばっているようだね。君が今も毎年サマーキャンプに参加していると聞いて、とても嬉しいです。きっとキャンプのベテランだろうね。時々伊藤伸二さんから君がどうしているか聞いているけど、残念ながらキャンプに参加して君と会う機会はずっとありませんでした。君の文章を読んで、僕はとても心を打たれました。吃音者が自分の吃音や吃音に対する態度を受け入れるのがとても難しいということを想像するのは、それほど難しくはありません。たとえ一度は自分の吃音を受け入れたとしても、なんらかのアクシデント、体験、エピソードなどにより、吃音に対して否定的な感覚を持ち、吃ることを拒否することになりかねません。吃音を受容する過程といっても、決して一直線に進むというわけではない、ということですね。明らかに君がとても賢く感受性が鋭いから、他の誰よりも数多く大変な目に会ってきたのかもしれない。それがとてもつらいことだったのは良く分かります。でも覚えておいて。君は何度も何度もこのような困難を乗り越えてきた。これからも君の体験を書き続けてください。これは本当に偉大な物語であり、長期にわたり、しかも質の高い研究としての可能性も持っています。もしチャンスがあれば、アメリカの僕のところに来ませんか。僕はコロラドの公立学校で言語病理学の仕事をしていましたが、昨年辞めました。そしてネブラスカ州リンカーンに来て、また学生をやっています! 今僕は、ネブラスカ・リンカーン大学のE.チャールズ・ヒーレー博士のところで博士課程、研究助手として、研究生活をしています。もし君が僕のところに来る機会があれば、ぜひ知らせてください。きっとヒーレー博士も君の話をもっと詳しく聞きたいと思うよ。もしロッキー山脈を見たいのなら、コロラドまで一緒にドライブしよう。そうすれば僕の前の恩師であるピーター・ラミグ博士に会ってもらいます。博士もきっと君の話を気に入ると思うよ。

10月19日 Nilou Tabari
 マサキさん、あなたの旅路を聞かせてくれてありがとう。本当に感動し、洞察にあふれていました。あなたはたとえ否定的なことであっても、自分自身への挑戦や、その時持った全ての気持ちをこれほどオープンに、正直に話してくれました。あなたはとても勇敢な人だと思います。

10月22日 Jennifer Klocek
 あなたの物語は、流暢に話そうともがき続ける多くの人にとって、とても示唆に富んでいます。あなたはとても勇気があり、あなたはきっと念願をかなえることができると思います。あなたの体験を教えてくれたことに感謝します。




・ISAD主催団体公式ホームページ
国際吃音者連盟 ISA(International Stuttering Association)

・ISAD2004公式ホームページ
国際吃音アウェアネスの日2004 ISAD7(International Stuttering Awareness Day Online Conference 2004)

「国際吃音アウェアネスの日」の説明と、2003年の川崎益彦の発表


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